2024年のバレンタインデー

2月14日といえばバレンタインデー。私は昔からあまりこのイベントに馴染みがなく、好きな人にチョコを渡してドキドキしたり、友達と手作りチョコを交換し合って楽しんだりした経験がありません。そのため、私の中ではバレンタインデーといっても、それは「ただの2月中旬のとある日」に過ぎませんでした。

 

バレンタインデーを無視してきたのは、もともと交友関係を築くことが苦手だったこともありますが、甘いものが苦手な子どもであったということが1番大きな理由であると思います。10代の頃、アルバイト先のおばちゃんから言われた『そんなこと言ってね。甘いものが苦手なんて今だけよ。あと10年したら焼き芋や羊羹を食べているはずなんだから』という言葉をよく覚えています。

 

それからもうすぐ10年が経とうとしています。焼き芋こそまだ苦手ですが、羊羹、食べるようになりました。あの人の言うことは本当でした。

 

スイーツをたしなむ幸せを知ってから、ずっとやってみたかったことがあります。それは、バレンタインデーに、自分のための特別なチョコレートを選ぶこと。たまたまこの日はデパートの近くに用事があったので、帰りに寄ってみることにしました。

 

特設会場はたくさんの女性たちで賑わっていました。すでに人気商品はほとんど売り切れていましたが、まだまだ素敵なチョコが並んでいました。輝く宝石のような見た目のものや、惑星やクマの形をしたものなど、見ているだけでワクワクしてきます。ショーケースを真剣に眺めていると、「贈り物ですか?」と必ず聞かれるので、毎回「いえ、自分用です」と答えました。

 

さて、憧れだった自分へのバレンタインチョコ。一つ目は、羊羹で有名なとらやの「羊羹 au ショコラ」。すっかり羊羹のファンになってしまった私。この商品はずっと狙っていました。残りわずかでしたが、なんとか手に入れることができました。食感は羊羹、味は深みのあるカカオ。まるで生チョコのような新食感にやみつきになりました。

 

パティスリーヤナギムラの「薩摩蔵 焼酎ボンボン」も買いました。本物の瓶のラベルをそのまま縮小したという、小さくてなんとも可愛らしいラベルに一目惚れしたのです。沖縄の黒糖焼酎「白ゆり」と、「さつま島美人」という芋焼酎のものを選びました。ボンボンは初体験。焼酎の甘みがショコラと意外にもマッチして、とても楽しい味わいでした。もっといろいろな銘柄を試してみたくなりました。

 

さらにもうひとつ。ゴディバと「あつまれどうぶつの森」のコラボ商品です。買うつもりはなかったのですが、あまりのキュートさに思わず手が伸びてしまいました。キャラクターのプリントはもちろん、ゲームに登場する果物やアイテムを模した形のチョコが入っていて、「こんなにかわいいの、食べられないよ〜」と思いながら少しずつ口に入れたのですが、食べてみるとさすがはゴディバ、とてもおいしいチョコでした。

 

いつもはちょっぴり寂しい気持ちになるこの日でしたが、今年はとっても満たされた気分です。押しつぶされそうな日々を過ごしていますが、今日からしばらくは一粒の幸せが、私の帰りを待っています。