おいしいぶどうを食べました

夏は果物がおいしい季節ですね。果物が大好きな私は、ももになしにすいかにさくらんぼ・・・と、スーパーの青果コーナーで思わずわくわくしてしまいます。

 

そのなかでも、特別好きなものがぶどうです。その深い深い紫色を眺めていると、日本で紫が高貴な色とされてきた理由が分かる気がします。数ある農産物のなかでも、とりわけぶどうは手間暇がかかると聞いたことがあるから、大切に大切に、一粒ずつゆっくり食べる。ぷちっと口の中で果肉がはじけた瞬間、甘い果汁とかすかな酸味が広がっていく。皮ごと食べれるものは贅沢な感じがしていい気分になる。でも、粒が小さいとたくさん食べられる気がして、それもまた嬉しい。私にとってぶどうは、果物の王国の女王。気品があり、ちょっとツンとしていて、でも中身は甘い。

 

この夏はぶどうをたくさん買って、食べ比べをして楽しんでいます。まずは定番、デラウェア。安定したおいしさで、いつもそばにいてくれる、ぶどう好きの味方。デラウェアを見ると、幼い頃に食後のデザートとしてこれが出てきたときの嬉しかった気持ちが鮮明に思い出されます。

 

最近食べて衝撃を受けたのが、粒の大きなタイプの「藤稔(ふじみのり)」。皮ごと食べられるのだろうと思って口に放り込むと、歯で皮がスッと剥けます。果肉を噛みしめると、驚くほどのジューシーな果汁が溢れて止まりません。その味わいを例えるとしたら、『果汁が多くて、粒の大きなデラウェア』といった感じ。お手頃価格で贅沢感を味わうことができます。

 

スーパーでたまたま出会った「ブラックビート」という品種も良かった。特筆すべきは、頬張らないと口に入らないほどのその大きさ。藤稔とピオーネを掛け合わせたものということで、濃厚な甘みと程よい酸味がおいしかったです。身が程よく引き締まっているので、食べ応えは満点。

 

特別おいしかったのが、かの有名な「ナガノパープル」。その名の通り、長野県で生まれたもので、ひと房何千円もする高級品種です。このぶどう、とにかく甘い。酸味や皮の渋みをほぼ感じないのです。味のまとまりが非常に良いので、気をつけないと一度にひと房食べてしまいそうになります。まれに熟れてしまったものがパックで安売りされているのを見ると、私は必ずそれを購入し、この紫色の宝石が近所のスーパーに流通していることのありがたさを噛み締めながら、大事にいただくことにしています。

 

さて、私のぶどう評論家としての活動はまだまだ続きます。今日は青果店で地元の農家さんが作ったというシャインマスカットを購入しました。ぶどうって、たとえば桃のように素晴らしい香りがするわけでもなく、いちごのように可愛らしい見た目でもないけれど、食べると嘘のようにおいしいのがとても良い。この不思議な果物が、私はとても好きです。みなさんは、どの果物がお気に入りですか。