パーマをかけた日

4月に入りました。職場で預かっている子どもたちはみなひとつ学年を上げました。『○年○組になったんだよ』と、誇らしげにお話してくれます。彼らのランドセルを背負う背中が、以前よりもずっとしゃんとして見えます。

 

新入社員も入社しました。その彼はとても緊張していて、彼に業務を説明したり、緊張を解くために他愛のない話をしてみたりしていると、自分が入社した時のことを思い出して、なんだか感慨深くなります。そんな4月のはじまりでした。

 

9日は、日曜日なので仕事が休みです。この日は、行きつけの美容院で髪の毛をカットしてもらいました。最近は忙しく、なかなか行けずにいたので、髪の毛は伸び切っていました。

 

まずはカット。私は髪がとても短いです。ベリーショートに、襟足は刈り上げています。癖が強く、ぴょんと跳ねてしまうからです。このへんな襟足が昔から大嫌いで、何をしてもおかしなことになるので、いっそのこと無くしてしまえ!と、思い切って刈り上げたのが意外にも好評だったので、今では人生でいちばんのお気に入りスタイルです。ウーと唸るバリカンで後頭部を刈られる瞬間は、いつもちょっとドキドキします。でも、同時にスッキリもします。いろんなことを、髪型と一緒にリセットできる気がするからです。実際は、全くそんなことないんですけどね。そして、床に落ちた髪の毛を見て、毎度自分の毛量の多さに驚きます。

 

春というのもあって、変化が欲しく、今回はパーマもかけました。というのも、何気なくNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」を観ていたら、スピードスケート選手の小平奈緒さんが出演していて、彼女のショートパーマがとても素敵だったからです。衝動的に、私も似た髪型にしたくなったのでした。

 

美容師さんは、慣れた手つきで手際良く髪の毛を巻き、そこに薬を付けて、さらにカーラーに巻いていきました。それを何度も繰り返し、最後は私の頭の全体に薬をかけました。薬が頭皮に流れてきて、少しひんやりとしました。他愛のない話をして、しばらくしたらまた薬をかけて、そしてまた他愛のない話をしました。

 

シャンプーをするとき、この美容室ではアロマオイルを混ぜてくれます。柑橘とハーブの香りが頭皮を包んで、とてもいい気持ちです。巻かれたタオルを脱いで、ドライヤーをかけたら、パーマができあがっていました。

 

パーマがかかりにくい私ですが、美容師さんのおかげで理想通りのヘアスタイルになりました。くしゃっとしたゆるめのカールが、カジュアルさを演出しています。とても素敵で、大満足です。美容師さんにお礼を言って、しゃれた雰囲気の美容院を出ました。

 

すると、玄関先にたくさんのお花が咲いていました。この美容師さんのご家族は、園芸を趣味にしています。まるでイギリスの庭園のようでした。パンジーに、ノースポールに、芝桜に、クリスマスローズ。かすかなお花の香りが、鼻をつんとさせました。春爛漫、と、つぶやきたくなりました。

 

ファッションが昔から好きな私。髪型もれっきとしたファッション。生まれ変わったような気持ちです。明日からの仕事が、ちょっと頑張れそうな予感がします。

 

追記:子どもたちは、私の髪型を見て『何で頭がボサボサなの?』と聞いてきました。わざとやってるんだよ、と私が言うと、『何でわざとやってるの?』と返しました。私はそれ以上、何も言えませんでした。